黄金の耳

黄金の耳の話。

易経の中に、「鼎 黄耳金鉉あり。」

とある。この鼎(かなえ)、

この「かなえ」と言う呼び名も

漢字の形も好きです。

昔、息子を三人目授かった時に、私の

師匠故中條高徳先生は、「お!それは

いいね。息子三人まさに、鼎だね。」

とおっしゃりました。

「先生、鼎って?」

「煮炊きする鍋だよ、足が三本

あるから、安定で、すごく良い。」

その言葉が今も私の耳に残っています。

鼎(かなえ)は、古代中国では供物を煮炊き

する大鍋の祭器であり、国の権威を象徴する

ものでありました。

供物を火にかける際に、三つの足が

一番安定していてさらに、蒔をくべやすく良かった。

また、この鼎には、担いで運ぶ為に

鉉(つる)を通す耳がついています。

耳が壊れていては、供物を運べません。

そのため、鼎の耳は、国の権威を保つための要と

して「王の耳」に喩えられましたようです。

王の耳と言われるように、耳が壊れないように、

立派にそしてしっかりと作られたのですね。

つまり、この「鼎の耳」と国を治める「王の耳」、どちらも大切で、その耳には

金の鉉を入れて運んだように、王の耳には、賢者からの諫言(かんげん)

や智恵、明知が沢山いれられたのですね。これら大切な言葉=金鉉

をいれる耳を、「黄金の耳」と呼ばれました。

会社経営者として、しっかりとお客様の声、社員のからの声を

聞き。正しい判断と行動をしたいと思います。