祓戸の大神

祓戸の大神、全てのお祀りの前、結婚式の

始まる前、御祈祷の前において、神主が

必ず奏上する。祓詞(はらへことば)、

「掛巻くも 畏き 伊邪那岐大神

筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に

御禊祓給ひし時に 生り坐せる 祓戸の大神達

諸々の禍事・罪穢れ有らむをば

祓へ給ひ清め給へと 白す事を聞食せと

恐み恐み白す」

出雲大社 祓社

この『祓戸の大神達』は?と先般

新郎新婦に質問をされました。

祓戸の大神達とは、古事記の中で、伊邪那美命を追いかけて

黄泉の世界に行った伊邪那岐命が、穢れた身体を清める

為に、禊をした時に化成した神々になります。

伊邪那岐大神が、禊をされた時に、様々な神々が誕生しました。

三貴子(天照大御神、月読命、須佐之男命)も誕生されます。

ですので、「祓戸の大神達」とは、特に、大祓詞に登場する

四柱の祓の神々になります。

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大祓詞に登場する神々の名前は、四柱おられます。

〇 瀬織津比売(せおりつひめ)

〇 速開都比売(はやあきつひめ)

〇 気吹戸主(いぶきどぬし)

〇 速佐須良比売(はやさすらひめ)

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大祓詞の中では、この四柱の神々は、それぞれ役割も

紹介されています。大祓詞奏上中、物語の登場人物のように

祝詞を奏上している者の頭の中で、画像が動くように

神々を感じます。

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年に二回、六月の末と十二月の末にこの間に人々が

起こしてしまった罪や穢れを清める為に、

一、瀬織津比売神は、もろもろの禍事、罪、穢れを川から海に流しだしてくださいます

二、速開都比売神は、海に流れてきたものを、海の底で待ち構え、カッカッカッと音を

  立てて、もろもろの禍事、罪、穢れを飲み込んでくださいます

三、気吹戸主神は、速開都比売神が、飲み込んだ禍事、罪、穢れを根の国、底の国に息吹、

  放ってくださいます

四、速佐須良比売神は、さらに、根の国、底の国に持ち込まれたもろもろの禍事、罪、穢れを

  さすらって無くしてくださいます

出雲大社 禊場の川

大祓詞の物語の様に、祓戸の大神達に身体についた禍事、罪、穢れを

祓い清めて頂くためには、まず、自身の身体を川辺や滝、海辺に通じる

ところに持っていき、禊を行う必要があります。

または、神社などの入り口にある手水舎において、手を清め、口を清める

という方法が必要になります。

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禊を行う為に、川辺、海辺、滝に行き、それぞれ意識を集中して、

手を組み、振り玉を丹田(たんでん・へその下あたり)の前で行い

「祓戸の大神、祓戸の大神、祓給え、清め給え」と念を入れます。

その後、先達に順って、水に入ります。

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私自身が、禊を行い、お水を頂いて感じるのは、人間の身体は

水で出来ているという事です。身体の70%は水分と良く聞きますが、

その身体と禊の御水が、一体となり、元々の自分自身である『心』

または、『魂』が、浮かびあがるのを感じるのです。

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頭の中で色んな雑念、欲、等も全て頭で考えている、その気持ちという

か考えは、身体であり、自分自身の『心』とは、また別物なのです。

住吉大社 手水舎

何を言わんとしているかと言うと、禊場の水を頂き、

身体が、「肉体」と「心(魂)」に分かれるのです。 

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もっと言うと、肉体に禍事、罪、穢れが付いており、それを清める

清める為には、「心」を無にする。

「心」を無に出来たときに、人間のこの世に生を受けた時の「心」

自分自身の「魂」が、純粋な魂が現れ、様々なこの現生においての

罪、穢れを放し、清められるのを感じます。

今日から、四月一日、新しい期が始まります。

大学生から、社会人。

幼稚園、保育園から小学校へ

皆さん新しい人生の節目を迎える春ですね。

清々しい気持ちで、新しいステップに進んで下さい!!